子供の乳歯における「感染の窓」って聞いたことありますか?
─むし歯予防の重要性─ 🦷😷
まず、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には歯がないため、生後間もない時期にはむし歯菌は存在しません。しかし、お子さまが成長し、乳歯が生え始める頃には、お口の中にむし歯菌が存在する可能性があります。
お子さまの健康を守るために、感染予防について知っておくことが重要かと思います。乳歯の感染に関する話題もその一つです。
こんにちは、みなさん!
Y.C.デンタルクリニック 歯科医師の山田です。
今日はお子さまの乳歯に関連して、特にむし歯菌に感染しやすい「感染の窓」についてお話ししたいと思います。おおよそ1歳7か月から2歳7か月の間に乳歯の奥歯が生え揃い、むし歯感染のリスクが高まる時期です。さっそく詳しく見ていきましょう!
「感染の窓」について
「感染の窓」とは、特定の時期にむし歯菌に感染する可能性が高まる期間のことを指します。子供の乳歯における「感染の窓」とは、乳歯の奥歯(臼歯)が生えそろってくる、約19か月から31か月(1歳7か月から2歳7か月)の間を指します。
「感染の窓」におけるむし歯リスク🕰️
1️⃣ 歯の発育と歯質
乳歯の奥歯が生えそろう時期には、歯の発育が進み、歯質が完全に形成されていない状態(乳歯は永久歯と比べて歯質が脆弱)です。
乳歯と永久歯の特徴の違いについて
これにより、歯の表面はまだ成熟しておらず、むし歯菌が付着しやすくなる可能性があります。
2️⃣ 歯磨きの技術と習慣
乳幼児期のお子さまは歯磨きの技術や習慣が未熟なため、歯の隅々まで効果的に歯磨きができないことがあります。特に奥歯の歯面は難しい部位であり、歯垢や食物の残りが残りやすいため、むし歯菌の増殖が起こりやすくなります。
磨き残しで注意する箇所
<歯と歯の間>
隙間の狭さと歯ブラシの届きにくさが主な理由です。歯と歯の間には非常に細かな隙間があります。これは歯の形状や噛み合わせによってことなります。食べかすや歯垢が溜まりやすく、歯ブラシの毛先が隙間に入りにくいため、磨き残しが生じやすくなります。
<歯と歯肉の境目>
主な理由としては形状の複雑さと歯垢の付着傾向です。境目は細かな溝や隙間があり、歯ブラシの毛先が届きにくいため、磨き残しが生じやすくなります。また歯周ポケットや境目の領域は歯垢が付着しやすい場所でもあります。
<奥歯の噛み合う面>
細かな溝があり、口腔内の奥側に位置しており、形状も複雑です。そのため、通常の歯ブラシでは溝に十分に届かず、歯ブラシの操作が難しくなります。このような特徴から、奥歯の噛み合う面は磨き残しが生じやすくなります。
3️⃣ 食事習慣と摂取物
乳幼児期には食事の形態が液体や柔らかい食品が中心であり、砂糖を多く含む食品や飲み物が摂取されることがあります。これらの摂取物は口腔内でむし歯菌のエネルギー源となり、酸を生産することで歯の組織を侵す可能性があります。
✨ むし歯予防の重要性
むし歯は乳歯の健康に大きな影響を与えるだけでなく、将来的に永久歯にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、むし歯予防は非常に重要です。
以下は、むし歯予防のために注意すべきポイントです。
食事の管理
砂糖の多いお菓子やジュースの摂取はむし歯の原因となります。食事ではバランスの取れた食事を心がけましょう。砂糖の多いお菓子やジュースは控え、代わりに野菜や果物、健康的なスナックを選ぶようにしましょう。
正しい歯磨き
毎日の歯磨きを習慣として取り入れましょう。乳歯が生え始めたら、歯ブラシを使用して優しく歯を磨きます。フッ素入りの歯磨き粉を使い、歯科医の指導のもとで正しい歯磨きの方法を学びましょう。
歯科医院での診察
定期的な歯科健診は、むし歯の早期発見や予防にともて重要です。歯科医師はお子さまの歯の健康状態を診断し、必要に応じてフッ素の塗布やシーラントの施術を行います。定期的な診察を受けることで、問題を早めに察知し、適切な対策を取ることができます。
お母さん、お父さんによる仕上げ磨き
お子さまがまだ十分な技術を持っていない場合、親が仕上げ磨きを行うことも重要です。子供が磨き残しをしていないか確認し、歯磨きを補完する役割を果たしましょう。
もちろん、すべてのポイントを実行できれば一番いいと思いますが、無理をせずにできることから始めて、少しずつ気をつけていくことが大切です。
まとめ
「感染の窓」と言われる1歳7か月から2歳7か月の間は、お子さまの歯の健康に特に注意が必要です。むし歯予防のために、正しい歯磨きや食事管理、定期的な歯科健診を通じて、お子さまの口腔衛生習慣を徹底しましょう。
お子さまの健やかな歯の成長をみんなでサポートしましょう!